☆歯列が広がって並ぶメカニズム

日大松戸歯学部の葛西教授によると、正常な歯列では上顎骨(上アゴ)の中央部の側方への成長によって歯列の幅が成長するそうです。しかし近年の児童は口蓋幅の成長が少なく、歯列幅が狭窄し、叢生歯列になるケースが増えています。

また、下顎(下アゴ)の奥歯は内側から萌出するが、しっかりと噛むことで歯が立ち上がり、歯列の幅を成長させるのだそうです。しかし下アゴもまた下の奥歯は内側に傾いて歯列の幅が狭窄したままで叢生歯列になるケースが増えています。

 SH療法はSH装置を使うのとしっかり噛むことを繰り返すことで、正常な歯列への発育を促します。

これは子供の症例だけでなく成人の症例にも当てはまることです。

よくアゴが広がると言われますが、実はアゴである【骨体最大幅】も【骨体基底幅】はほとんど変わりません。変わるのは【歯列の幅】だけになります。従って、ご存知のない方がカバのように広がるといった比喩を使って説明することがあるようですが、実際はそんなことはありえません。

むしろ、左右でしっかり噛めるようになって顔が締まって小さく感じるようになったと感じておられる方すらいらっしゃるようです。

◆歯並びだけでなく心身への効果

SH療法は単に歯並びをよくするだけでなく、歯並びがよくなることでこのように全身の疾患や症状を予防したり改善することがわかってきました。

SH療法は患者さんの人生を支えるものともいえる治療法です。